関西ボクサークラブ(以降、関西BK)設立の背景についてはVol.1でお話したとおりですが、まずは設立者である私と榮山さんが魅了されたボクサーたちについて触れたいと思います。

私が初めてボクサーを迎えたのは、1983年12月。
小学6年生のクリスマスプレゼントでした。

                                                      Ch.g アルフ v. ビンゴロスイ 1983(CN:ボス)
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翌年の夏休みのこと。
1泊2日の家族旅行に行くにあたって、ボス(アルフのCN)を預かってくれそうなところを探していたところ、獣医から警察犬訓練所を紹介されて預けることになりました。
旅行から帰って迎えに行くと、訓練士さんが、

「この子は私がこれまで見てきた中で最も良いボクサーだから、騙されたと思って審査会に出してみませんか?」

とお誘いを受けて出陳してみたのが始まりでした。

父がヨーロッパ系、母がアメリカ系という血統で、それまでにもJKCでR.KINGに入賞していたこともあり、PD(日本警察犬協会)の審査会にも抵抗なく出陳したのだと思います。
関西チャンピオンから始まって、西日本チャンピオンに。
翌1985年には、未成犬クラスで日本チャンピオンを獲得しました。
成犬になると、母方がアメリカ系ということもあり思ったほど充実せず、3席を2回という成績でしたが、それでも当時70頭近く出陳されていたのですから日本を代表するボクサーの1頭だったのだと思います。

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榮山さんは当時京都の舞鶴にお住まいで、舞鶴には「マイヅルナカオカ犬舎」という、当時名犬舎のひとつがありました。
中岡さんにお願いして数年、やっと手にした初めてのボクサーがこの子。
私よりも5年後で迎えたのでした。

                                                  1991N.ch イルザ v. マイヅルナカオカ 1988(CN:ハナ)
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ハナ(イルザのCN)は、当時独身だった榮山さんに溺愛された可愛い女の子で、月に一度は我が家に遊びに来て、ウレションをリビングにまき散らしてくれました。
父犬は、ドイツ輸入犬で1985年の日本チャンピオン ギターノv.オストパルク
母犬は、1989年日本チャンピオン グリーマv.マイヅルナカオカ
当時、バリバリの超良血犬でした。
ハナ自身も、成犬クラス2回目のチャレンジで1991年の日本チャンピオンを獲得しています。
つまり、関西BKで初めての日本チャンピオンタイトル犬が、このハナです。

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私も榮山さんも、この2頭に魅了されてドップリとボクサー街道まっしぐら。
今考えてみれば、ふたりとも最初から素晴らしいボクサーに恵まれていたからなのでしょうね。

関西BKのボクサーを語る上で、この2頭の存在は外せません。
この2頭から、すべてが始まりました。
私たちが彼らに出逢っていなければ、今の関西BKは無かったのですから。

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こちらは、笑っていただく画像(この日強い風で、どんでもない髪型に・・・)
1989年の特別日本チャンピオン展でのショット。
ボスと一緒に写っているのは、高校3年生の私と、右が繁殖舎の内田さん。
左は、私の家族にボスを紹介して下さった恩人の村井さんとボスの娘、アリス of ワイルドチェリー
この日、父娘で成犬クラスの特別日本チャンピオンを獲得しての記念写真です。

この1年後に、関西BKが設立されたのでした。

小村記